第55章 離婚したいのはホルモンの影響だけ?

「……ああ、分かった」

中野航平は眉をひそめた。

昨夜、中野蓮から電話が入ったとき、航平は長谷川栞のためにお粥を買いに行く途中だった。蓮が「そっち行く」と言い出すのが目に見えていたから、あえて出なかった。

以前、ひとりでこっそり栞の様子を見に行っていた頃は、彼女の拒絶はここまではっきりしていなかった。

だが、蓮を連れて行くようになってから――。

栞が、感情をさらに奥へ押し込めているのが分かる。

……俺たち親子が、嫌いなのか?

女社員が言っていた。妊婦は敏感で、脆いのだと。

航平は通話を切り、ふと横目で見る。栞と視線がぶつかった。彼女は、こちらを見ていた。

遅れて気づく。さっ...

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